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教育のフランケンシュタイン化

原稿書きが追いつかないので徹夜。

そういえば去年、小学校の国語教科書に「科学作家の文章を入れたい」と執筆依頼が来て、原稿を出したら、現場のアドバイザーと称する先生たちの「会議」で、めちゃくちゃに文章が切り刻まれて、フランケンシュタインみたいになってしまい、編集者に「この修正でお願いします」といわれてキレたっけ。

ボクがいきなり教室に乗り込んでいって、「こうやって教えろ」と授業を切り刻んだら、あの先生たちはどう感じるだろうか。

あの先生たちに教わっている生徒たちは、作文をめちゃくちゃに改悪されているんだろうな。

怒って原稿を引っ込めたのは、後にも先にもあのときだけだ。

***

高校の物理の教科書で磁場を教わるときにHとBが両方出てくることを知って愕然。

歴史的な経緯で、電子の動きとは逆向きに電流は定義されているし、存在しない磁荷(=磁気単極子)を元に定義されたHが使われている。でも、存在するのは微小電流だけだから、Bを使ったほうがすっきりする。

いわゆるEーH対応か、EーB対応か、という問題だ。

あえてEーH対応でも、きちんと説明すればかまわないとは思う。実体がないから定義してはいけない、ということはない。電流だって、今さら逆向きに定義するわけにはいかないだろう。

でも、HとBを混ぜて、両方教えようとするから混乱する。

教科書をつくる段階のどこかで、「会議」でいろんな意見が出てしまい、フランケンシュタインみたいな物理の教科書ができてしまうんだろうな。教わる生徒が物理嫌いになるのも無理はない。

***

監修を頼まれている物理の本で、HとBを両方出すと混乱するからBに統一してくれ、と言ったのに、「でも教科書には両方出ています」と抵抗されて閉口している。なに考えてんだろ。

フランケンシュタイン化した教科書の弊害が、一般物理書にまで及んでいるわけだ。

この監修の仕事は、かなりストレスがたまっているので、どうしても「基本姿勢」が食い違うときは、監修を降りるつもり。そんなに監修者の言うことが信じられないのなら、ぜんぶ教科書をそのまま引き写して出版したらいい。

ホント、頭が痛いよ・・・。

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