« 「朗読」って向いてない | トップページ | ウィキが使いづらくなった(続き) »

ウィキが使いづらくなった

最近、ウィキペディアが、どんどん使いづらくなってきた。

自分の項目なんか見てみると、「こいつはいったい誰のことだ?」という印象が強い。

自分の作品も、評価の高かったものや売れたものはほとんど無視されている。マラソンを走ったあとに、そのタイムなどは無視されて、途中でけつまずいて転んだことだけ詳しく書かれているような感じ(笑)

今、書いている本と関係するので、南部陽一郎で引いてみたら、「1970年に後藤鉄男とともに南部-後藤の弦理論(ひも理論)の提案をおこなったが、正しくないことが証明された。」って書いてあって、思わずのけぞってしまった。いったい、誰が証明したんだろう(汗)

超ひも理論のどんな教科書を見ても、「南部=後藤の作用」は載っているし、ちゃんとしたボソンひもの作用だよね。ただ、後にポリヤコフがもっと使いやすい形を提案して、主にそちらが使われているけれど。(南部=後藤の作用は非線形)

1970年当時は、重力理論ではなくて、強い相互作用の文脈で研究がされていたんだろうけれど、今から振り返ってみて、その後の量子重力理論の発展に先駆的な役割を演じたことは明らかだ。

つまり、「正しくないことが証明された」という記述は、物理学の歴史から見て「まちがい」だし、百歩譲っても「大きな誤解を与える表現」ということだ。

オレが訂正すると、また、騒がれてしまうから、書き直さないが、誰か、ちゃんとウィキペディアの「南部陽一郎」の項目を訂正してあげないと、南部先生や、若くして亡くなった後藤先生が可哀想だと思う。

ちなみに、英語のWikiでは、「He is accounted as one of the founders of string theory.(中略)
The Nambu-Goto action in string theory is named after Nambu and Tetsuo Goto」という、きわめてまっとうな評価になっている。

日本語のウィキペディアは、人を貶める記述がちょっと多過ぎるね・・・。

|

« 「朗読」って向いてない | トップページ | ウィキが使いづらくなった(続き) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウィキが使いづらくなった:

« 「朗読」って向いてない | トップページ | ウィキが使いづらくなった(続き) »