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科学のダークサイド

執筆中の本とも関係するので、足利事件と飯塚事件について調べている。

科学技術が進歩するにしたがい、過去の問題点があらわになることもある。足利事件では、1990年代前半のDNA鑑定の結果が冤罪を生み、無実の人が17年という歳月を奪われてしまった。

DNA鑑定に関して、足利事件と共通点の多い飯塚事件の場合、去年の10月に死刑が執行されている。試料が残っておらず、これからの再鑑定はできないようだが、「犯人」とされた人物の家族のDNAを採取して、再審請求がなされる可能性があるという。

驚かされるのは、法務大臣に就任後、初めての死刑執行に、冤罪の可能性のある事件を選んでしまった森法務大臣の判断能力だ。もちろん、自ら選んだのではなく、法務省の役人が選んだのだろうが、飯塚事件では、科学警察研究所のDNA鑑定と帝京大学によるDNA鑑定が大きな食い違いを見せていたのだから、他の事件に先んじて死刑執行を急いだ理由が理解できない。

いったい、この大臣は何を考えているのだろうか。

無論、今後の弁護側のDNA鑑定を待たなければ、飯塚事件が冤罪だと断じることはできないが、法務大臣の勇み足であったことに変わりはない。

90年代の科学警察研究所のDNA鑑定のお粗末さについては、調べていくにつれて、だんだんと怖くなってきた。

科学技術は、使う人間によって、「凶器」になることもある。森法務大臣は、今後、わけもわからずに死刑執行の署名をする前に、「科学的な証拠」について、専門家から初歩的なレクチャーを受けるべきではないだろうか。

万が一、無実の人物を処刑してしまった場合、いったい、どうやって責任をとるのだろう。

(ちなみに、私は死刑廃止論者ではない。ただ、科学警察研究所の古いDNA鑑定のみが証拠とされ、有罪判決が出た事件については、死刑執行の前に再度、現在の技術で再鑑定を行ない、精査すべきだと思う。アメリカでは、「イノセンス・プロジェクト」があり、被告は、刑が確定した後でも最新のDNA鑑定を受ける権利が認められているが、日本でも早急に導入すべきだろう。あたりまえのことだが・・・)

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