バカヤローな日本
「バカヤロー経済学」のゲラを改めて読み返してみて、この本では、日本が抱えている政治と経済のあらゆる矛盾点が網羅されているんだな、と感じた。
とはいえ、この本は、(たとえば)財務省を一方的には批判していない。実際、国民負担率が他国と比べて低いことや、消費税率が低いことなどは、きちんとデータを出して書いている。財務省主張にも一理あることは認めているわけだ。
でも、同時に、地方分権の動きに抵抗する財務省の「論理」や本間教授の追い落としの手口なども、きちんと書いてある。
(かわいそうなことに!)本の中でひと言も褒められていないのは「日銀」だ。日銀は、ここ十年以上、完全にバカヤローなデフレ政策をとって、日本人を苦しめ続けてきた、という評価になっている。
おそらく、この本を斜め読みしたら、批判されている関係機関や関係者は激怒するにちがいない。
でも、きちんと読んでくれたら、あらゆる問題が「国民の利益」という観点から分析され、提言がなされていて、ボクと高橋さんが、「国民の利益」になる点は褒め、「省庁の利益」にしかならない点を非難していることがわかるはず。
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最近、タレントの北野誠さんの「事件」が気にかかっている。舌禍事件とされているが、一番の問題は、「誰に対するどんな発言が原因か、いっさい公表されていない点」だ。
名誉棄損の事実があったならば、訴えられるはずだが、そういった「表」ではなく、すべてを「裏」で処理してしまった。謝罪するならするで、きちんと「表」でやればいいのに、全部隠ぺいしてしまったから、騒ぎになる。
言論の自由は、こういった例が積み重なることにより、徐々に封殺されていく。
でも、週刊誌やスポーツ新聞やインターネットには、実は「真相」はすべて書いてある。言論の自由は、最後の最後には、「スポンサーがらみではない」、個人が支える媒体が担うことになるらしい。
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「バカヤロー経済学」も読者に買ってもらう書籍だから、スポンサーがらみではない。だから、あらゆることをホンネで語ることができたのだと思う。
ボクはサイエンスライターであり、政治的な人間じゃないので、こういった本はこれ一冊で終わりだと思うけれど、いろいろな意味で、この国のバカヤローな仕組みやからくりがよくわかって、勉強になった。
トークショウでは、高橋さんの事件についてもボクなりの見解をお話しするつもりです。事件の「予兆」や、なぜ、高橋さんが何もコメントできない状態に置かれているのかも、お話しするつもりです。
日本はいったい、どこへゆくのだろうか・・・。
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