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マンガの引用の不思議

引用について詳しく調べてみて驚いた。

ゴーマニズム裁判が最高裁まで行って、マンガの引用権は認められているが、不思議なことに、いまだに「現場」では引用ではなく「転載」として許可を得たり使用料を払う慣習があるらしい。

著作権が万能ではなく、引用が例外になっているのは、活字文化の発達において、歴史的に必要だから認められてきたもの。(「引用」が許可制になると、たとえば書評も批評もなりたたなくなってしまう! 学術研究もダメになるだろう。)

「絵」が主体となるマンガについては、引用できるか否かが長らく「灰色」だったが、ゴーマニズム裁判により、「度を越した改変をしない」という条件付きで、評論などの目的での引用は認められたはずなのだ。

ちなみに、著作の論旨のためにマンガを引用するのではなく、マンガそのものを使う目的で「転載」するときは、当然ながら許可が必要になる。

最高裁の判断がマンガ業界において「無視」されているのは理解しがたいが、考えてみたら、この国は法律なんか無視した制度が横行しているよね。不動産の敷金礼金とかもそうだろう。

たかが「引用」も、実は表現の自由のために必要なのだが、出版界にその認識がないことが怖い。海賊版の横行などにより、過敏な反応をせざるをえなくなったのかもしれないが、こうやって、気づかぬうちに自分の首を絞めて、表現の自由ってなくなっていくのだなと、かなり考えさせられた。

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