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徒然考

結婚して大きく変わったことがある。

本を書くときに、それまでは、知らず知らずのうちに「上から目線」になっていたのが、結婚後は、それが人を傷つけたり、イヤな思いをさせてしまうのだということを自覚するようになった。

よくオレが業界の<ろくすっぽ仕事をしないで威張っているだけの連中>に怒りをあらわにするのも、結局は、「なんだ、その当然のような上から目線は? オレは、おまえらの部下じゃねえぞ」ってことなのかもしれない。

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昔は、いわゆる「知識人」と呼ばれる人々がいて、社会の御意見番みたいな役割を担っていた。彼ら(彼女ら)は、上から目線で物を言っても許してもらえる、特殊な社会的地位を保っていた。

今、どこを見渡しても、知識人という感じの人はいない。情報過多の時代だからか、何か気の利いたことをテレビでしゃべっていても、すぐに裏の行動が2ちゃんねるあたりに書かれていたりして、「なんだ、言ってることとやってることが違うじゃねえか」となる。

学校の先生もそうだ。でも、学校の先生が「聖職」と言われた時代、学校の先生たちは、本当に聖人君子だったのか、それとも、裏の行動がバレていなかっただけなのか。ハレンチ事件で逮捕される教師が後を絶たない今、ふと、そんなことを考える。

伝説の映画スターが生まれない、というようなことも情報過多と関係しているのかもしれない。

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なんだか、「知識人」がいた昔のほうが、安心できたような気がする。

今は、「墜ちた偶像」だらけで、面白くもなんともない。



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