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なぜMaximaだったのか

『はじめての数式処理ソフト』では、いつも私が使っているMathematicaではなく、フリーソフトのMaximaを使うことになった。

私が書いたMathematicaのプログラムをおかやんさんにMaximaに移植してもらったのだが、案外と、批判もあるようだ。

そこで、こうなった経緯を説明しておこう。

当初は、Mathematicaのままで行く予定だったのだ。ところが、Mathematica側との交渉の結果、お試し版もCD-ROMには入れられない、ということだったので、苦肉の策として、フリーソフトを使用することになったのである。

Mathematica側が、この本の出版を販促の機会ととらえなかったことは大変残念だが、それは商売の方針なので、私がどうこういう問題ではない。

フリーソフトなのでCD-ROMもいらないじゃないか、というご意見もあるようだが、若い世代にはそれでいいが、読者は若い人だけじゃない。(年輩の数学ファンも大勢いる。)ネットからのインストールは意外とできないものなのだ。

Mathematicaは学生は3万円で買えるようだが、読者の半分は学生ではないので、30万円というのは大きなネックとなる。

ようするに、なるべく広い読者層のために「はじめての数式処理」を体験してもらうのが最大の目的であり、Maximaに落ち着いた理由もそこにある。

MathematicaのファイルもCD-ROMには入っているのに、なぜ、Mathematicaユーザーから文句が多く寄せられるのか理解しがたい。まさか、Mathematicaを売っている人が文句を言っているのだとは思いたくないが、ちょっと疑ってしまうよね。

フリーソフトを敵視するのではなく、そこから入って、より高性能のMathematicaを購入する人を意識したほうが、商売上もいいのではないだろうか。

いずれにせよ、短絡的な文句が目立つようなので、ネガティヴな発想からは、何も生まれないことを指摘しておきたい。

やれやれ。

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