ほとぼりも醒めたから書く
去年は、いろいろあったわけだが、二年連続の出版賞の落選は、前代未聞だったし、明らかに一部の選考委員の嫌がらせ(あるいは職業蔑視)だったように思う。
でも、もっと酷い事件もあったりする(笑)
もう、ほとぼりが醒めたから、書いてもいいだろう。
実は、東大から科学インタープリター養成講座の特任教授として3年間、やってくれないか、という打診があったのだ。
オレは仕事は順調だったし、特任教授を受けてしまうと、本を書くペースも遅れるし、収入は半減してしまう。おまけに、3年だけやって、それでおしまい、というのである。(教授じゃなくて「特任」教授だからだ)
かなり悩んだが、職業的な重要性が認知されていない「科学インタープリター」を本気で養成することができれば、と考え、思い切って引き受けることにした。
ところが、取材旅行から戻ってみると、「あの件は忘れてください」という連絡が入っていた。「本社からお偉いさんが天下りで来ることになりました」という。本社とは文部科学省のことである。その現役の課長が科学インタープリター養成講座の特任教授になるから、竹内さんは忘れてください、というのである。
ふーん、東大の「本社」は文部科学省なのかー。問題だよねー。
怒髪天を衝くとは、このことだ。
ようするに、本気で科学インタープリターを養成するつもりなんかなかったんだよ。で、オレの科学インタープリターの技量は、お役人をやっていた素人でもできる程度のもの、と評価されたわけだ。
科学技術振興調整費というところから予算が出ているらしいが、もともとは国民の血税である。それを文部科学省が自分で使ってしまうのは、まるで、相撲の行司が自分で相撲を取り始めるようなもの。いったい、どうなってんだ。
で、結果的に、東大の科学インタープリター養成講座は、専業の科学インタープリターを養成するのではなく、あくまでも学者(および学者の卵)の表現技術をブラッシュアップする、というのが主目的となったらしい。
でもさ、学者の文章技術を向上させるために、億単位の予算を組む必要なんかないんだよ。自分で技術を磨けばいいだけの話じゃねえか。
小難しい専門用語ばかり並べてしまう科学者と、血税で研究を支えている市民との間を「つなぐ」役割を担った、専業の科学インタープリターを養成するのが本来の趣旨じゃなかったのか?
オレの怒りの理由、少しはわかってもらえますか。
***
東大には、最初にオレを声をかけてくれた友人がいるので、あからさまに状況を開示することを控えてきたのだが、もう過去のことだし、現時点で個人のブログに書いても問題はないだろう。
それに、考えてみると、その友人は、意思決定に参加する立場にあったわけではなく、腐った上層部から「圧迫」されているのであり、あまりに理不尽だ。
オレが、これを書くことにより、万が一、その友人が学内的に(さらに)「圧迫」されるようなことがあれば、もっと公な場所で告発するからね。(本気です)
科学技術振興調整費は、以前も、元早稲田大学の松本教授の問題があったが、かなり、腐っている。
税金が、こんなふうに使われたんじゃ、国民もたまらないよね・・・。
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