« ネイチャー・パーティー | トップページ | 最終講義 »

過去の記憶

右目を痛めてから、急ぎの原稿依頼を断っているのだが、カルチャーセンターの準備をしていて、ふと、十年前の出来事を思い出した。

成城大学の非常勤講師をしていたのだ。

日本に帰ってきたとき、どこにも就職口がなくて、ようするに「干されていた」のだが、黒崎宏先生に拾っていただいて、毎週一回、成城大学で科学史と科学概論を教えていた。

数年の間、楽しく仕事をしていたが、ある年を境に学生の質がガラリと変わった。

授業中の私語が絶えなくなり、宿題の出来も落ちて、しまいには、オレの目にレーザー光線を当てる奴まで出てきた。面白半分に講師にレーザーポインターを当てていたらしい。

オレはその犯人を特定することはしなかったが、その次の年に非常勤講師を辞めた。

黒崎先生も退官され、オレの立場は注に浮いており、ちょうど潮時だったのだ。

今の学生は、元に戻っているだろうか。それとも、前より酷くなっているのだろうか。

潮時といえば、今日がカルチャーセンターの最後の日だ。

オレが喧嘩したり、辞めたりするとき、そこにはオレが求める「人間味」が欠如していることが多い。
心とか情熱とか、やる気とか・・・そういったものが欠けているとオレは哀しいし、怒りを感じてしまう。

オレが一番嫌いなのは「頑なさ」だ。これだけは我慢できない。

もしかしたら、世間なんて、元からそういうものなのかもれしれない。

だとしたら、オレは、ドン・キホーテみたいだな。

ドン・キホーテは風車に跳ね飛ばされる。

それの繰り返しだ。

|

« ネイチャー・パーティー | トップページ | 最終講義 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 過去の記憶:

« ネイチャー・パーティー | トップページ | 最終講義 »