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事程左様

作家稼業をやっていると、たまに転機になる作品を書くことがある。

それは、客観的にみれば、別になんでもないかもしれないのだが、本人の中で何かが変わるような作品なのだ。

私の場合だと、処女作は(忘れたい過去なので)別として、ブルーバックスの最初の本(ペンローズのねじれた四次元)はかなり大きな転機になった。意欲も動機も元気もあったし、いまだに出来は悪くないという自負がある。

小説でいえば、「宮沢賢治の星座ものがたり」、「シュレディンガーの哲学する猫」、「虚数の眼」、「百人一首 一千年の冥宮」は、試行錯誤と悪戦苦闘の連続で、その揺り戻しが「脳をめぐる冒険」だと思うが、今回上梓する「猫はカガクに恋をする?」は、ようやくバランスのとれた佳作に仕上がった(気がする)。

すでに表紙も出来ていて、いい感じだ。

とはいえ、初刷の部数がかなり少なめなので、まったく注目されずに終わる恐れもある。

本というのは、不思議なもので、「脳のからくり」にしても、単行本のときはほとんど話題にもならなかったのに、文庫になったら、何度も重版がかかって驚かされた。

事程左様(ことほどさよう)に、判型と価格と「棚」により、売れ行きが左右される業種なのだ。

「脳をめぐる冒険」は、残念ながら脳の棚に置かれてしまい、著者が読んでもらいたかった読者層には触れずに終わった感がある。だから、「猫はカガクに恋をする?」は、販売の反対を押し切って、文芸(女性エッセー)の棚に置いてもらうことにした。

本当は小説なのだが、いろいろと理由があって、小説の棚には入れないのだそうだ。(縄張りという奴ですな)

もともと、恋愛科学小説などという珍妙なジャンルの本は、私のような人間でないと書かないだろうし、とにかく、フツーっぽい作品じゃないことだけは確かだ。

猫と科学と恋愛のライトノベルズ。

はたして、読者に受け入れられるだろうか? それとも、完全にそっぽを向かれるだろうか?

今のところ、書店さんからは、ほとんど無視されているので、予約が入らず、かなり厳しい情況ではある・・・読者のみなさま、応援よろしく!

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