ホワイトカラー・エグゼンプション
なんでも横文字にすりゃあ、いいってもんじゃない。
白襟免除・・・漢字でも意味不明だ。
そもそも、「免除」するってのも、怪しいもんで、実際には、これまでよりお給金が減って、労働時間だけが長くなるんじゃないのか?
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オレのような自由業の人間は、むかしから、エグゼンプト(免除)されてきた。
だから、まるまる3ヶ月かけて本を書いたとしても、それが売れなければ、半年後に銀行口座に25万円くらいが振り込まれて終わり、てなこともある。(たまにある)
逆に、同じ3ヶ月かけて本を書いて、運よくベストセラーになったなら、一ヶ月後に何百万円も振り込まれることもある。(たまにある)
ようするに、労働時間は関係なくて、本の出来(=自己評価や出版社による評価)も関係なくて、最終的に町の本屋さんで売れるかどうかで、すべてが決まるのだ。
結果だけが重要なのであり、過程は関係ない。
それが、労働時間に比例した報酬から「免除」される、ということの意味だ。
かなり前のことだが、何ヶ月もかけて、かなり精魂込めて書いた本の印税が、編集者の一ヶ月分の給料よりも少なかったことがあり、オレは不条理を感じた。
それが数冊続いた時点で、オレは、「この流れを変えないと、骨までしゃぶられて、荒野に屍を晒すことになる」と、大いなる危機感を抱いた。
それまでは、「いい本を書けばいい。限られた読者のために良書を提供し続けるのがオレの仕事だ」などと、理想論をぶっていたのだが、生命の危機に瀕して、オレは考えを変えた。
結果(=ベストセラー)を出さなければ生きてゆかれない。
オレは仕事の方法を根本から変えた。
それがオレやオレの読者にとって、よかったのかどうか、わからない。
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ホワイトカラー・エグゼンプションが本当に可能なのは、各業種ではたらく人々の数パーセントに過ぎないように思われる。
アメリカの制度をそのまま日本に導入することには無理がある。
あくまでも個人的な意見だが、慎重に議論を重ねたほうがいいと思うよ。
でないと、大勢の人が過労死で亡くなるよ。
あくまでも個人的な意見だが・・・。
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