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2006年11月の20件の投稿

リトヴィネンコ

今、偶然、周囲に大勢のロシア人がいる環境にいる。

アレクサンドル・リトヴィネンコの毒殺は、彼らの間でホットな話題になっているよだ。

プーチン政権が、いったい、どこで「脱線」したのか、わからないが、健全な国際感覚を失って久しいことだけは確かだろう。

日本人漁船員が、ロシア国境警備隊による銃撃で死亡した事件も記憶に新しいが、日本政府は、ほとんど抗議といっていい抗議もしないで、事件はうやむやのまま終わったように見える。

反体制派のジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺は、国内で行なわれたものだが、今回はイギリスにおける暗殺であり、プーチン政権は一線を越してしまった感が強い。

もちろん、いずれの事件にもプーチン政権は関与していない、というのが公式の立場だが・・・。

日本は、ロシアからの石油と天然ガスのエネルギー供給に大きく依存している。サハリン1もサハリン2も国策によるエネルギー戦略の要だったわけだが、サハリン1では天然ガスを中国に奪われ、サハリン2もロシア政府のごり押しにより、先行きが不透明なままだ。

日本は、その意味で、ロシアにエネルギー面で弱みを握られており、そのため、理不尽な仕方で日本人の命が奪われても、強く抗議できない、という状況が生じている。

それにしても、ポロニウムを使うなんて、冷戦時代の東ドイツが毒殺に放射性元素を使った事例があるものの、とてもじゃないが、正気の沙汰とは思えない。
いったい、どこでポロニウムをつくって、「塩」の形態に加工したのだろう?

学校の物理学の授業で、ラザフォードの実験を教わる。
アルファ線は、アルミ箔で簡単に遮へいできるが、いったん、経口摂取すると、今回のリトヴィネンコのように死に至る猛毒と化す。
治療法は存在しない。

エネルギーを武器に、隣国(グルジア)を圧迫し、反体制派をどんどん暗殺してしまう政権とは、いったい、何なんだろう?

日本は、北朝鮮問題だけでなく、実は、すでにロシア問題も抱え込んでいるのである。
今後数年で、恐ろしい事件が起きないことを祈るばかりである。

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けたぐり批判に疑問

横綱審議委員から、今場所の朝青龍のけたぐりについて注文が相次いだそうだが、実におかしい話だ。

そもそも、けたぐりが品位のない手ならば、相撲の手として禁止すればいいだけの話であり、手として存在するのに、使ってはいけないというのは、ルールを無視した暴論である。

筋が通らないとはこのことだ。

横綱審議委員による「朝青龍いじめ」は、前々から気になっているのだが、もういい加減にされたほうがよかろう。

むしろ、横綱審議委員の「老害」のほうが痛々しくて、どなたも自覚がない点が「品位」を欠くと私は思う。

最近、日本では、功なり名を遂げて、さまざまな「委員」をかけもちするようになると、もはや、誰も諌言できなくなり、痛々しい状況が出現する。(私の分野である科学出版界にもそのような状況が存在する!)

その点、小泉前首相の引き際は、鮮やかとしか言いようがなかった。
なかなか、ああはできないよ。

ああいう人こそ横綱審議委員になってもらって、大相撲を振興すべきじゃないのかなぁ・・・。

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業務連絡

現在、海外にて取材・執筆中です。

ネット環境が悪く回線が細いため、メールの確認はかろうじてできますが、なかなか御返事を差し上げることが難しい状況です。

明日のNEWS ZEROは、一回だけ、お休みをいただきます。
来週から復帰します。

コマネチ大学数学科は、二回続けて中村先生に解説をお願いすることになりました。
年末特番から復帰予定です。

いろいろ御迷惑をおかけするかもしれませんが、なにとぞ、御理解をたまわりますようお願い申し上げます。

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本日の反省点

今日のNEWS ZEROの反省点は、先週に引き続き、スポーツのところ。

巨人ファン暦は、ようするに生まれたときからといっていいわけで、実際、人生のほとんどを巨人の試合を見て育ったわけだが、堀内監督になってから、かなり期待を裏切られることが続いて、気がつくと、川相、元木、岡島・・・親しみのある選手がどんどん消えていって、「元巨人ファン」と言ったほうがいいのでは、というところまで追い込まれた。

ついでに言うと、小学校の頃から、ずっと大リーグはメッツのファンで、伝説の左腕トム・シーヴァーが僕の心の中の英雄(もちろん、もう一人は長嶋だ!)だったりするので、ヤンキースの応援も非常に微妙なのだ。

もちろん、松井選手が巨人からヤンキースに移籍して、同時に新庄選手がメッツを解雇された時点で、「なんでぇ」と思って、メッツを応援するのをやめてヤンキースの応援に廻ったのである。

で、それ以来、ヤンキースの試合は、ほとんど欠かさず見ていた。

現時点で、オレは、巨人に「復活」してもらいたい強い気持ちがあるのだが、どうにも正直にコメントができないでいる。
正直いって、かなり、苦しい。

おそらく、ニュースを見ている人にも、その「中途半端さ」はわかると思うので、もう少し苦言を呈してみたくも思うが、まだ、そこまで言う勇気がないでいる。

どうしたものか・・・ポジティブなスタンスで、叱咤激励するのが一番なんだろうけど・・・目下の懸案。

本当に困っているのです。

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重版御礼!

おかげさまで「ペンローズの<量子脳>理論」は重版となりました。

みなさまの御声援に感謝いたします!

かなり難しい内容だと思うのですが、復刊されたうえに重版がかかり、十年前の苦労が報われた気がしています。

本当にありがとうございます!

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オタク的雑感

基本的にオタク的な性格らしく、本来はどうでもいい商品でもハマることが多い。

冬の季節、商売柄、風邪を引くと仕事にならないので、どうしてもウィルスを撃退せねばならないが、そうなると、外出後のうがいと手洗いだけでは凌げない。
そこで、どこへ行くにもマスクをすることになり、K妻からは、「変なおじさん」とからかわれている。
マスクは、特定の会社の特定の商品を大量に注文して、おそらく同じものを冬じゅう使い続けるのである。

(できれば立体がいいよなー。でも、なんとなく材質はガーゼのほうが肌にしっくりくるよなー。耳も痛くないほうがいいよなー。鼻の形に折れ曲がる形状記憶(?)も必要だろー)

そんな都合のいい「オレ・マスク」があるかと思いきや、探せばあるもんだ。

意外なのは、コンビニやキオスクの商品に、いいものがあることで、このマスクもコンビニでみつけた。
コンビニは競争が激しく、商品のPOSシステムがしっかりしているから、消費者の動向がほぼリアルタイムで反映されるのだろう。
つまり、コンビニやキオスクで物を買っていると、常に「良品」に巡り合う確率が高くなるわけだ(笑)

以前、モントリオールに住んでいたころ、ヨープレイトというヨーグルトを食べていたのだが、あるテレビ番組に消費者から、
「毎回、ヨープレイトを食べようとして、上の紙の蓋をはがすのだが、うまくはがせない。調査してくれ」
という依頼があって、オレも毎回、紙が破けてしまってイライラしていたので、何十万人という消費者が、毎朝、蓋が破けて怒っているのかと思って、大笑いした記憶がある。

そうやって、どんどん商品が改良されてゆくものもあれば、オレの職業の「本」のように、何十年もほとんど変わらないものもある。
いや、じきに、本だって、半分くらいは電子インクのものに替わるのだろう。
音楽だってネット配信になったんだから、いずれ、本もネット配信に移行するにちがいない。
iPodならぬiBookというわけか?(マックファンのみなさま、お後がよろしいようで)

マックファン以外の方への注:iBookは少し前まで売られていたMacの名前です。

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つるっ・・・暑いねぇ

オレは頭髪が少し薄くなってきて、じきにブルース・ウィリスになるんじゃないかと、いつも鏡の前でためつすがめつ(?)しているのだが、先日、某カルチャーセンターの講師控室で、実に気まずい思いをした。

最近、数人で行動することが多く、竹内流柔術の使い手である猫神隊長もオレのボディガード役でカルチャーセンターに同行している。

一ヶ月前のことである。控室に入るなり・・・

隊長「やれやれ、大丈夫だったな。教室に入るときは、帽子をぬがなくてはいかんな」
オレ「帽子?」
隊長「なにしろ、ここのところ、中途半端に頭髪が薄くなってきておっての。いっそこのことツルッ・・・」
オレ「あ! あ、この部屋、やけに暑いねぇ」
隊長「そうか? ちょうどいい温度だと思うが。ツルッ・・・」
オレ「な! なんか、喉が乾かないですか」
隊長「ですか? どうしたんだ、おまえ」

隊長は気づいていなかったが、隣りのブースにピカピカ頭の講師が座っていて、隊長の「ツルッパゲ」の前半部分に反応して、オレは、その講師の耳がピクッと動くのを目撃したのだ。

***

一昨日のカルチャーセンターでは、オレが、茂木のパンフレットを見ながら、
「なんで、茂木の奴、こんなに頭髪が豊富に残ってやがんだ。オレなんか、ざくろジュースで一所懸命にエストロゲンを補給してるとゆーのに」
 と、苦笑していると、目の前に座っていた周三郎(=妹)が、しきりに目をパチパチさせていた。
「なんだ、周三郎、目にゴミでも入ったか?」
 オレが問いかけると、今度は、目をヨコに動かし始めた。その視線の先には、なんと、一ヶ月前に気まずくなってしまった講師が座っていて、じっとこちらを睨んでいた(汗)

***

オレ「やばいよなー。オレだってハゲかかってんのにさ、なんだか、わざと嫌がらせしてるみたいで後味悪いぜ」
K妻「来月は気をつけないと、今度こそ、本当に殴られるわよ」
オレ「ああ、二度あることは三度あるというからな」
K妻「それを言うなら、仏の顔も三度まで、でしょ」

だめだ。こんな調子で、いつもジョークばかり言っているので、このままだと、来月のカルチャーセンターが修羅場と化す。

仏といえば、なぜ、お坊さんたちは頭髪を剃っているんだろうね。
いや、この際、どうでもいいことだが・・・。

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帰国子女用語?

今週の反省点。

NEWS ZEROでは、ユニクロのNY店の話題のところで、「モメンタム」(momentum=勢い)という言葉を無意識のうちに使っていて、あとで指摘された(汗)

コマネチ大学でも、「オプション」(option=選択肢)と言ってしまったらしく、こちらも反省。栃木算数博士によれば、日本では、「車のオプション」というと「追加でつけることのできるもの」という意味にとられがちだそうで、誤解される恐れがある。

問題は、こういった言葉は、無意識のうちに「英語→カタカナ言葉」というふうに頭のなかで変換されているため、防ぐのが難しい点にある。

カタカナ言葉を極力避けるしか、方法はない。

今後、なるべく「大和ことば」で話すよう努力するつもり。

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エネルギー切れ

ああ、やばい、やばいと思っていたのだが、今日の朝カル「ファイヤアーベント講義第二回」は、途中で完全にエネルギーが切れた。

話のまとまりが悪くなり、要点をビシッと提示できなくなり、たまらず「トイレ休憩」を入れてしまった。

「方法への挑戦」の第七章の議論の整理が悪く、次回は、ここの補足説明から入ることにした。
竹内節の意訳でわかってもらうようにする。

さすがのオレも、ここにきて、青息吐息になってきたので、近々、しばしの休暇をいただくことにした。(夏休み、まったく取ってないし・・・)
ぜいぜいぜい。

とはいえ、科学力本とMAXIMA本と仮説百科が、あと一歩で完成するので、来週一杯は戦闘態勢で臨む。

気合いだ!

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〆切が近づくと買い物

ピンポーン、お届け物でーす。ハーイ、ただいまー。

K妻「あなた、荷物が届きましたよ」
オレ「お、そうか」
K妻「いったい何です?」
オレ「Bose QuietComfort3だ」
K妻「なにそれ」
オレ「騒音低減ヘッドフォンじゃよ」
K妻「またヘッドフォン買ったんですか」
オレ「原稿を仕上げるため、オレは静寂を必要とするのだ」

***

ピンポーン、お届け物でーす。ハーイ、ただいまー。

K妻「あなた、また、荷物が届きましたよ」
オレ「お、そうか」
K妻「こんどは、いったい何です?」
オレ「エストロゲンを摂取するためのタクダーネ製のざくろジュースだ」
K妻「ざくろジュース? いったい何で?」
オレ「ここのところ、頭髪が薄くなってきたからな。ざくろジュースを飲んで、男性ホルモンを撃退するのだ」
K妻「はぁ? 撃退って・・・あなた、科学作家でしょ?」
オレ「いかにも」
K妻「本当に撃退できると思ってるの?」
オレ「もちろんだ。だから1000mlの六本入りをわざわざ購入したのだ。実はな、ざくろジュースは脳機能を活性化するそうなのだ。だから、原稿書きにもいいのだ」

***

〆切に追われ、次第にストレスがたまるにつれ、オレのネットでの買い物は増える傾向がある。
ネットショッピングしてる暇があったら、少しでも原稿を書けばいいように思われるが、気がつくと、「原稿書きのために必要」と言い訳しながら、プチッとマウスのボタンを押してショッピングをしてしまうのである。
そして、購入したざくろジュースを飲みながら、耳に騒音低減ヘッドフォンをかけて、今、オレは、(なぜか〆切間近の原稿ではなく、)このブログを書いている。

うおぉぉぉ! 〆切、全然、間に合わねーぞ!


(上記二社とも、一切、利害関係はございません。念のため。)

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エッシャーは小説にも使う

昨日のNEWS ZEROでつかった三次元グラフィックスは、SketchUpというソフトで描いたもので、なんと、中身もある。

つまり、放送では外見を廻して「切れています!」とやって、だまし絵のからくりを暴露したわけだが、あのCGの中には、階段もあれば、部屋の扉もあって、ベッドまで置いてあって、ついでに人間までいるのだ(笑)

もっとも、いくつかのバージョン作成したので、日テレに渡したものの中身がどうなっていたのか、把握していないのだが。

もともと、ミステリー小説の「館」として設計したもので、ネタ自体はエッシャーの創作ノートにあるものだ。
周知のごとく、その秘密は、まだ子供だったロジャー・ペンローズが、お父さんと一緒に書いた論文にあり、個人的にエッシャーにも伝わっていたのである。

テレビでは、個人的に私が考えた密室の謎の部分は削除しておいた。

そのネタは、11月末から執筆を開始する「科学小説」(シュレ猫が登場する!)に使う予定。

乞うご期待!

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淡々と

オレ「あー! おもらししちゃったよー!」
K妻「Zzzz...」
オレ「布団がびしょびしょだー!」
K妻「え? どうしちゃったの? ワインの飲みすぎ?」

実は、そろそろ木枯らしが吹く季節に突入ということで、大枚叩(はた)いて、暖かい羽毛布団を購入して一週間。

それが、さきほど、無残な姿となったのである。

無論、オレがおもらしをしたわけではなく、寝ていたら、膝のあたりが、じわーっと生暖かくなってきて、触ってみたら濡れていた・・・猫のしわざなのである。

そういえば、ニャー君(にゃあちん)が、ケーキの包みのひもで遊んでいて、かなり興奮気味だったことを、うっすらと憶えておる。

まだ仔猫なので、遊びに熱中して、トイレに行くのを忘れてしまったのか?

やれやれ。

とはいえ、オレもK妻も猫馬鹿なので、別に怒るでもなく、眠い目をこすりながら起きて、淡々と電話でクリーニング屋さんに「布団丸洗いやってますかぁ?」と、確認をして、着替えて、これから、布団をもってゆくところ。

かくて、猫馬鹿夫婦の日常は、今日も波乱の幕開けとなった(笑)

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今日この頃

「脳のからくり」は、もともと2万5000部刷ってくれたのだが、すぐに4000部が増刷となり、文庫だと一度に3万人の読者に届くのかと、ちょっと驚いた。

***

木曜は千葉県経営者協会にて講演。

仮説本の後に集めた仮説ネタでがんばってみた。

会場の反応はよかったが、最初の「掴み」がなかなかうまくいかず、今後に課題を残した。(すでに対処法は考えた!)

***

「猫話」で笑ってもらえないと苦しいんだよね・・・。
パワーポイントのリモコンを猫がどこかに持って行ってしまった話とか。

***

家に戻ってからK妻とレストランで食事。

食事中も口述筆記で「仮説大百科」の原稿を書く。(ぜいぜいぜい)

***

明日は昼から「天才本」のテープ録りをして、その足で美術館に取材に行く予定。

***

週末もたまっている原稿の執筆だ!

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コマネチ大学数学科 特別集中講座

竹芝のインターコンチネンタルホテルで、たけしさんと「コマネチ大学数学科 特別集中講座」のための対談。

和気藹藹とした雰囲気で、刺激のあるお話をたくさん伺うことができて、個人的に大満足。

一緒に問題も解いたが、やはり、オレは、解説サイドに廻っていたほうが無難だ(笑)
現役復帰は、もう無理。

二問目の問題など、帰りの電車の中で「簡単な解法」が思い浮かんだが、対談中は、ややこしい方法で計算してしまった(汗)

むかしから、試験が終わってから正解がわかる性質なんだよ。

放送でやった問題の解答も付けるそうだが、どれくらいの分量になるかは未定。

映画を数式センスでつくる話は、凄く面白かった。

対談はたけしさんとオレだけだったが、問題の監修では中村先生にもお願いすることになる。

発売は来年の初めあたりか?

なお、番組では、年末特番をやることが決まったらしい。

本も特番も、乞うご期待!

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重版御礼!

おかげさまで、「脳のからくり」(新潮文庫版)が重版となりました。

この本は、私の「脳科学勉強ノート」で、それなりに面白くわかりやすい出来に仕上げたつもりだったのですが、単行本のときは、売れ行きが今一つで、かなりがっかりした憶えがあります。

文庫という判型は、単行本や新書とはちがって、手に取りやすく、本屋さんの棚もまったく別なので、本来、私が本を読んでもらいたかった読者の目に触れるようになったのかもしれません。

いずれにせよ、文庫化により、より多くの読者に読んでもらえることは、作家として望外の喜びです。

いつも応援、ありがとうございます。
深謝。

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文庫での復刊

ここのところ茂木健一郎との過去の共著の文庫での復刊が多い。

「ペンローズの<量子脳>理論」ちくま学芸文庫
「脳のからくり」新潮文庫
「異端の脳がホンモノ!」だいわ文庫

最初と最後は、十年くらい前に、学者の大御所どもから叩かれ、無視されながら、ひたすらがんばって本をつくっていた時代のもので、それでも、版元の徳間書店は科学書のイメージとは程遠く、毎回、挫折と落胆の連続だったっけ。

「異端の脳がホンモノ!」は、元の題名が「トンデモ科学の世界」で、これは、当時、世界観の狭い連中に叩かれっぱなしだったオレが、と学会なる組織に喧嘩を売った体裁。

当時は、大槻教授全盛の時代で、オレは、さまざまな場面で、意地悪をされて凹んでいた。
と学会からも馬鹿呼ばわりされて、怒り心頭に発して、ささやかな(皮肉による)反論を試みたのだった。

もっとも、そんなコップの中の嵐的な争いに巻き込まれた茂木健一郎は、たまったもんじゃなかっただろう(笑)

人間の非合理性を「馬鹿」の一言で片づける人は、おそらく、生半可な合理性の世界にしか生きていないのだと思う。
何事も、突き詰めて考えてゆけば、ヴィトゲンシュタインのぶちあたった「壁」、語りえないものに行き着くはずであり、そういった問題意識から程遠い場合だけ、人は、合理性の世界に安住できるのだ。

***

「脳のからくり」は、中経出版から出ているものだが、早くも文庫化となった。
文庫になると、本の置き場所がちがうし、値段も安くなるので、もっと大勢の読者に手に取ってもらえるから、著者としては嬉しいものだ。

この本は、「脳をめぐる冒険」の解説部分に相当するため、できれば、二冊を同時に読んでもらえると非常に嬉しい。

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猫か野球か、それが問題だ

猫好きと野球(観戦)好きが重なった人格なので、今日の夜7時から、何を観るかで大いに悩んでいる。

昨日は大リーグ選抜と巨人の試合を観ていて、最後の最後で追いつかれて、「やはり、大リーグが本気を出すと凄いな」という感想だった。

今日は、大リーグ選抜と日本選抜が戦うので、目が離せない。

ところが、あろうことか、東テレで、かわいい猫特集をやるではないか!

K妻「猫特集に決まってるでしょう。野球はいつもやってるじゃない」
オレ「あのな、日米野球は、二年に一度しかやらんのだよ」
K妻「だめです」
オレ「じゃあさ、CMのときにちょこっとだけ野球に切り替えてもいいか?」
K妻「それはかまわないけど、たぶん、12チャンネルでCM流してるときは、4チャンネルでもCMが流れてるんじゃない?」

猫中心に見て、ちらちらと野球を追って、8時からは野球だけにする・・・。

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緊急アピール

今しがた届いたネイチャー誌のプレスリリースによると、114名のノーベル賞受賞者の連名で、リビアの指導者カダフィ大佐に向けて、エイズ裁判の被告たちが公正な裁判を受けられるように緊急アピールがなされた。

なぜ、リビアの法廷が第三者機関の専門家による科学的・医学的な証拠を採用しないのかは、理解しがたいが、もちろん、政治的な背景があることは確実だ。
大勢の感染者が出たことは事実であり、それを外国人の犯罪にすることは、政府の責任を追求する国民世論をかわす最良の手段なのだ。

だが、そのような政治的な理由のために、無実の人間の命を奪うことなど許されない。

仮に、百歩譲って、被告たちが、実際に犯罪を犯したのだとしても、なぜ、科学的・医学的な証拠の提出が認められないのか、世界中のノーベル賞受賞者たちは「理解できない」と言っているわけだ。

皮肉なことに、今回のきわめて政治的な裁判は、リビアという国そのものを国際世論が断罪する、という構図になってきている。

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リビアで起きている恐ろしい出来事

国家の体制のせいで、恐ろしい出来事が起きているのは、なにも北朝鮮ばかりではない。

リビアでは、ブルガリアの看護師とパレスチナの医師が、数百人のリビアの子供を意図的にエイズに感染させた、という裁判が行なわれている。

リビア国外のエイズ専門家の間では、そもそもリビアの病院の衛生管理に問題があり、子供たちは、そのせいで罹患した、という意見が大勢を占めている。

証拠もなく、自白も拷問であることが、ほぼ明らかであり、世界中の科学界・医学界から、早期の裁判の打ち切りと被告たちの釈放が求められているが、今のところ、すでに8年も拘留されたままの看護師と医師は、無実の罪をきせられて処刑される公算が高まっている。

実に恐ろしいことだ。

ネイチャー誌も社説で強くリビアを非難し、ニュースでも扱っている。

このニュースは、科学界ではよく知られているが、日本では、ほとんど報じられていない。

あらためて、公正な裁判制度の整った、民主的で自由な社会に生まれた幸運を思わずにいられない。

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いじめ

今日のNEWS ZEROは、茂木健一郎のゲスト出演ということもあって、テンションは高めでがんばることができた。

いじめ問題は、自分自身が小学校のころ、登校拒否になりかけた経験があり、ちょっと感情が入りすぎたかもしれないが、子供の社会は、やはり、先生の人格が色濃く反映されるものだ。

オレは、小学校の恩師に救われたが、そこまで一所懸命にやってくれる先生ばかりではない。いい先生に巡り合えるかどうかなんて、運にすぎない。

「いじめ」は集団内で起こるもので、それは、その集団から出ないかぎり、なかなか、抜け出すことができない。

子供にとって、親は、最後の砦だから、早く気づいてあげてほしい。ただ、気づいた後の具体策は、とても難しいのも事実だ。その集団を出るということは、転校を意味するが、転校先でも「いじめ」が起こらない保障はないし、その集団の潜在的な「いじめ」の傾向は変わりないから、別の生徒がいじめられる可能性もある。

オレの場合は、先生が、科学教室に入れてくれたおかげで、自分にも自信がついたし、周囲のオレを見る目も変わって、事無きを得た。

茂木が、集団全体の問題だ、と言っていたが、まさにそうだ。

家に戻ってから、いろいろと考えてしまった・・・。

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