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書評

誘惑される意志
ジョージ・エインズリー著 
(NTT出版・2800円)

 

 ニュースを見ていると、責任ある地位にある人が、痴漢をしたり、飲酒運転をしたり、データをねつ造したり、使い込みをしたりしていて、思わず首をかしげさせられる。
 なぜ、人は、破滅をかえりみずに、目の前の「誘惑」に負けてしまうのか?
 本書は、そういった人間の哀しい性(さが)を、単純な一つの数学公式で説明してしまおうという、驚くべき試みだ。
 訳者の山形浩生氏の解説から引用してみよう。
「一〇年先の一万円と九年先の一万円では、価値の差はないも同然だ。でも同じ一年ちがいでも、いまの一万円と来年の一万円ではぜんぜんありがたみがちがう。この割引は、双曲線で示されるものと似ている(中略)この双曲割引のおかげで、小さい短期的な誘惑は近くにくると急に大きく見え、まだ遠くにあるもっと大きい長期的な見返りよりも、一時的に魅力的に見えてしまう!」
 そ、そんなに単純なことだったのか・・・思わず絶句させられる結論だ。
 訳は秀逸だが、いかんせん、原書が堅い。まずは、巻末の訳者解説からお読みになることを強くオススメする。山形浩生訳。

(日経新聞の「今週の3冊」は、朝刊と重複するとメインで取り上げられなくなる・・・という事情のため、ここに掲載しますね!)

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