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2006年9月の20件の投稿

二つの国家論

立て続けに二つの国家論を読んでみた。

藤原正彦「国家の品格」(新潮新書)と安倍晋三「美しい国へ」(文春新書)である。

意に反して、この二冊は、正反対の部類に属するのだと感じた。

「国家の品格」は、とことん理論的で抽象的で爆笑的だ。そこには、現実の政治の色はまったくなく、ひたすら藤原氏の純粋思考の世界における「理想的な国家像」が展開される。また、まさに「超絶」とでも形容できるような「笑い」の種が随所にばらまかれている。

人間の不平等のところでは、藤原氏がベッカムになれない、という例が出てきたので、思わず「ベッカムと比べるなよー」と爆笑した。
また、高校の頃の模擬試験で英語の成績がトップだったから、日本でいちばん英語ができると信じていた、という箇所でも、「ふつう、そこまで自信もたないだろー」と抱腹絶倒した。

一度も英語を母国語とする人間相手に英語をしゃべったことがないのに、日本でいちばん英語ができる、と考えるのは、数学的で抽象的な思考法にほかならない。早い話が、模擬試験の結果をどんどん一般化してゆくのである。

藤原氏が政治家ではなく、数学者兼エッセイストになった理由は、この本を読めばよくわかる。

もともと、講演会の記録をもとにつくられた本なので、おそらく、生の講演会でも、会場は爆笑の渦に包まれていたのだろう。藤原氏の超絶ユーモア精神には脱帽だ。

***

対照的だったのが「美しい国へ」である。
政治家の家系に生まれ、幼少時の記憶から現在にいたるまで、安倍氏は具体的な政治の問題とともに生きてきた。

だから、安倍氏の思想は、きわめて実験・観察的で工学的で情緒的だ。
拉致被害者の有本恵子さんのご両親が安倍晋太郎事務所を訊ねてこられて、土井たか子氏の事務所では「お気の毒ですねえ」の一言で終わった、と話されたエピソードなど、すぐにそのまま、旧社会党が国民から見放され、いまだに自民党が政権を担っている理由とつながっている気がする。

この本を読んでいて、爆笑するところは一ヶ所もない。情緒をくすぐられる箇所はたくさんあるし、具体的な政策提言に関しては、「そうだ」と共感できる箇所と「ちがうのではないか」と違和感を覚える箇所が交互に出てくる。

***

で、いつも綱渡り的なバランス感覚だけで生きている私としては、「美しい国へ」では、安倍さんにもう少しユーモアの感覚を磨いてもらいたいな、と感じ、「国家の品格」では、藤原さんにもうちょっと具体的な国家の話をしてもらいたいな、と感じた。

無論、ご両人とも、同意されないだろうが。

***

火曜日に、三ヶ月ぶりに鈴木光司さんと食事をした。
そのとき、「国家の品格」の話で盛り上がった。

鈴木光司さんも私も、そもそも「歴史的にみて、武士道は、失われるほど普及した時期などなかった」と考えていて、江戸時代の人口の大半を占める農工商の人々はいうに及ばず、皇族を中心とした貴族階級にしても武士道とは無縁だし、それなのに、どうして「抽象的な武士道精神」がイメージとして定着しているのか、不思議でしかたない。(もちろん、「葉隠」の悪口を言っているわけではない。誤解なきよう)

鈴木光司さんは、いま、「なぜ勉強するのか?」という素朴な疑問に答える新書を書いている。(たしかソフトバンク新書)
安倍政権の改革の最重要課題は教育なのだから、タイムリーな出版といえるだろう。

***

いずれにしろ、この一週間は、国家とか思想について、ものすごく考えさせれる読書体験となった。

その意味で、「国家の品格」と「美しい国へ」を二冊同時に読んでよかった。この読み方は、オススメですゾ。

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おまえも悪い奴よのう(悪代官風)

新宿でテープ録りの仕事を終えて、ウチに帰ってきたら、FAXがちぎれて散乱し、受話器が転がっていた。

うーむ、コマネチ大学の問題選定会議のFAXだが、途中までしかきておらん(汗)

悪童ナナ(猫)が、出てくるFAXを待ちかまえて攻撃し、そのうち、受話器も蹴散らしてしまったらしい。

機械類が好きで、やたら、ボタンを押す癖があるので、気がつくと、誰もいない部屋でエアコンから熱風が吹き出てたりするんだよ。ったく、頭が痛いぜ。

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キャスターの準備に大わらわ

来週から始まるNEWS ZEROで、私に求められている役割は、もちろん記者でもなく(ニュースそのものを「読む」という意味での)アナウンサーでもなく、ニュースの背後にある「仮説」を発掘して、読み解く「分析官」だろう。

ようするに、表面的な解釈ではない、「別の視点」からの見方を提案するのが仕事ということだ。

もちろん、基本には科学・技術と環境・エネルギーといった視点があるが、ニュースの大半は、金融であったり政治であったりするわけで、そういった「守備範囲」を超えたニュースをどうやって分析するかが当面の課題となる。

もともと法学専攻であったことは、私にとって大変有利にはたらいている。

なぜなら、私の人脈の多くは政財界・金融界で、若手のエキスパートとして活躍しているからだ。

現在、おのおのの分野ではたらいている、高い見識をもった友人たちに連絡をとって、火曜日の私のニュース分析を助けてくれるよう、お願いしているところだ。

NEWS ZEROのチーフ・プロデューサーを筆頭とするスタッフは、番組の抱負として、「この国の将来をよりよい方向へ」という硬派な理想を掲げていて、私もその理念に多いに共鳴した。

これまでも科学技術インタープリターとして、複雑怪奇にからみあった情報を、わかりやすく繙(ひもと)くのが仕事だったが、これからは、あつかう情報の範囲が大きく拡がることになる。

私ひとりでできる仕事ではないので、大勢の友人たちの助けを借りることになるだろう。

書き言葉から話し言葉へ。
科学技術情報からニュース全般へ。

非常に楽しみな仕事だ。
気合いを入れて、なおかつ自然体でがんばるつもりだ。

応援よろしく!

(もちろん、サイエンスライターの仕事も続けますのでご安心を)

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130億円と3兆円

東大が来年までに集めようとしているお金と、現在、ハーバード大学がもっているお金である。

アメリカの大学の巨額の基金については、批判も多いが、その豊かな財政が、大学の国際競争力を支えていることは、誰も否めない。

東大は、生半可な民営化ではなく、ハーバードのような真の競争力を身に付けた大学に脱皮する必要があると私は考えている。

しかし、内部から東大を改革するのは、至難の業だろう。

ここのところ、金融関係の雑誌や新聞のコラムなどで、東大の「改革」が特集されることが多いが、その現状は厳しい。現実の数字は、130億円と3兆円なのである。

安倍政権は教育改革を掲げているが、真の問題は、本丸である文部科学省をどうやって「改革」するか、なのだ。
どこまで本気で斬り込むことができるのか、今後の動向が楽しみである。

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今日は備えがなかったので憂いがあった

フラッシュに目が眩んで不覚をとった!

午前11時半からNEWS ZEROの記者会見があった。

いつも大勢の前で講演なんぞやっているので、全然平気だと思っていたが、いきなり、数百のフラッシュがたかれて、完全に平常心を失ってしまった・・・オ、オレとしたことが・・・。

おまけに、記者から「不安なことはありますか」と質問されて、手をあげたのはオレ一人(笑)

「何が不安ですか」
「生放送は初めてなもので」(会場から失笑)

うーむ、よくよく考えたら、ラジオは何度も生出演していたっけ。まんざら初めてでもないんだよな。

コメント録りも、事前に話す内容を箇条書きにまとめておけばよかったのに、うまくしゃべれず、何度も録り直してもらった。うぐぐ。

だが、開始一週間前に課題がみつかったのは「吉」とすべきなのかもしれない。

内心、たかをくくっていたのが、ここにきて、万全の準備で臨まないとまずい、ということに気づかされたからだ。

ただいま、大反省中(汗)

生放送なのだから、事前に、各ニュースについて、コメントのポイントを箇条書きでまとめておけば、万が一、頭が真っ白になっても乗り切れる。それを怠ると、いざというときに取り返しがつかなくなる。

マネジャーさんからも注意されてしまった。

「竹内さん、ちょっと猫背でしたね」
(猫好き科学作家だからな)

慣れてくれば、かなりアドリブが発揮できるはずだが、こりゃ、かなりの異次元時空だわい。
習うより慣れろ。
備えあれば憂い無し。

とにかく、科学インタープリターから、さらなる脱皮をとげるために、心してがんばる所存。科学技術の重要性を発信できればと考えています。

てなわけで、みなさま、応援よろしく!

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風邪にて

すみません!

風邪でフラフラなので、明日のカルチャーセンターの飲み会は、残念ながら中止させてください。
最後の会なので、通常なら、終わったあとに飲み会が恒例ですが、ちょっと体力的に無理のようです。

ごめんなさい!

(いやあ、昨日の晩は、頭痛と腹痛が酷くて、寝汗が酷くて、悪寒がはしって、よっぽど救急車を呼ぼうかと思っちゃったよ・・・でも、また、あの豪華アトリウムの病院に搬送されたら、そのまま放置されて苦しむだけだと思って、我慢した・・・本日も休養中・・・うぐぐ)

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たらいまわし

来た人を「たらいまわし」にする組織やシステムは、そこが腐っていることを意味する。

役所にいって、あっちこっち、たらいまわしにされることは誰でも経験するが、病院も似たようなところがある。

K妻が急病(貧血)で、立ち上がれなくなって、高熱と頭痛も併発したので、タクシーで夜間救急センターに行った。
予算の関係らしく、7月からは、ここは夜中の12時で閉鎖され、患者は、近隣の救急指定病院にまわされる。

で、まわされた。

凄く立派なアトリウムのある病院で、意地悪な看護人一名を除いては、みんな親切だったが、血液検査とX線検査の後、朝の4時までベッドで寝かされたままで、点滴を一本打ってもらったのみ。

せめて、鉄剤の注射とかしてくれよ・・・担当医は輸血の必要性を説いたが、自分の病院では受け入れられないのだという。
で、昼間、かかりつけの医者に行って、そこで相談しろだと。

本人は頭が割れるほど痛いと、のたうちまわっていて、ヘモグロビンの量が通常の1/3にまで低下していて、「点滴だとその場しのぎで、血が薄まる」と、担当医は教えてくれた。

だから、鉄剤の注射してくれたらどうなんだ?

***

結局、錠剤の処方せんを渡されて、朝の4時に、厄介払いされた。

***

この国の救急医療には、システム的な欠陥があって、とにかく、医療事故を起こしたくないの一点張りで、もはや機能不全に陥っている。

豪華なアトリウムをつくるまえに、目の前の患者の苦しみを少しでも和らげることを考えたらどうなのだ。

***

昼間、かかりつけの医者に行ったら、鉄剤の注射を打ってくれて、「横浜に貧血で輸血できる病院なんて存在しない」と言われた。

おそらく、教科書に書いてあることと、現実の医療システムの間に、大きな差があるのだろう。

国によっては、医療過誤をなるべく問わない(被害者に補償はする)という政策をとっているところもあると聞くが、本当だろうか。

そういうシステムに改善すれば、医者も事なかれ主義とたらい回しをやめるだろうか・・・。

いろいろ考えさせられた。

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パット&メルドー!

パットの最新アルバムをゲット。

今回は新進ピアニスト、ブラッド・メルドーとのデュオ(一部カルテット)だ。

ギターとピアノの組み合わせは難しいことが多いそうだが、メルドーがパットの大ファンであったこともあり、ふたりは完全に意気投合していて、聴いていて、とっても心地よい。

秋の夜長に、ひたすら透明で軽快なジャズなどいかが?(利Q師匠、もう買いましたか?)

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風邪でダウン

急に寒くなったら、そのまま風邪を引いてダウン(笑)

体重が落ちたので、ふたたび風邪を引きやすくなった気がする。
うーむ、なかなかうまくいかないものだ。

理想体重の75キロまで落とすつもりだったが、77キロで止めておいたほうがいいかも。

明日、赤髭先生のところ行って、薬をもらう。早めに治さないとね。ゴホゴホ。

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猛獣接近

夜、あまりに暑くて寝苦しいので、布団を外に持ち出して寝てしまった。

いいようのない恐怖感に目が醒めた。
巨大な猛獣・・・おそらく森から出てきたクマが、オレの臭いを嗅いでいる!

体中に悪寒がはしり、同時に汗が吹き出してきた。

(バッと立ち上がって、脱兎のごとくダッシュで逃げるか)

(いやいや、立ち上がろうとした瞬間に、秋の鮭と同じようにクマの爪に頭蓋骨をすくわれて一巻の終わりだ)

(このまま死んだフリをしていたら、クマは立ち去る・・・というのは単なる都市伝説だろうか・・・生きているのはバレバレで、やはり、鮭のごとく、爪ですくわれて終わりか)

うぉおおおー! オレは、今、後悔している。少々の暑さなら、家の中で寝ていればよかったのだ。それなのに、わざわざ猛獣の餌食になりそうなシチュエーションに自らをおいてしまったのだ。うぉおおおー!

***

K妻「コタ・・・コタなの?」(コタ=虎太郎)
オレ「・・・」
「寝る前に食べてたお菓子が口についてるんじゃないの?」
「・・・」
「どうして黙ってるのよ、起きてるんでしょ!」
「(小声で)ばか、クマじゃなくてトラに生きていることが気づかれるだろう。命の瀬戸際なのだぞ。都市伝説かどうか、まだ、わからんのだぞ」
「ふぅ、また幻想世界ですか・・・」

トラに踏まれたまま、逃げるべきか、死んだフリを続けるべきか、必死に考え続けるオレ。

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本日の反省点

ううう、今日のラジオは、途中でどんどん早口になって、とうとうつっかえてしまった!

いつも、コマネチでも講演でも、唯一気をつけているのが「早口病」で、オレの場合、どんどん速くなって、しまいに口が追いつかなくなるのがいかんのだ。

今日は、ブースの向こうのK妻の姿が見えなかったので、オレが早口になりかかっているときの「落ち着け」という手信号が見えなかったのである。

うーむ、あとは、すぐに貧乏揺すりが出るので、こちらも姿が見えているときには気をつけないといけないんだけど。

とにかく、久しぶりに早口で失敗したので、改めて「ゆっくり落ち着いてしゃべる」ことを注意徹底することにした。

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Tokyo FM

明日の夜は東京FMのEvening Fileという番組に生出演の予定。

その日のニュースのコメントも求められるそうなので、きちんと新聞を読んでいかないといけないな。

先週のJ-Waveは、準備不足というか、あまり出来が良くなかった(ゴメン!)ので、明日は気合いを入れて収録に臨む。

朝日カルチャーセンターや講演などでも、毎回、それなりに気合いを入れてから会場入りするのだが、ごく稀に、準備不足で現場に突入することがあり、たいてい、冷や汗をかくことになる。

ようは、自分の中で、
(準備万端整った、さあ、行こうぜ!)
と、一度、深呼吸をする余裕があるかどうかなんだ。

前日にパソコンの前で仕事をしすぎたり、夜更けまで本を読んでいたりすると、翌日、人前での仕事の出来が悪いような気もする。

毎回、ベストコンディションにするって、意外と難しいよね・・・。

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稲妻

真夜中にハッと目が覚めて、エアコンからなにやら変な音がするので、なんだろう、と考えていたら、部屋が真っ白になった。ちょっと間があって、雷のドドーンという音が聞こえた。

そのまま、フラフラと起き上がって、ベランダに出てみると、風がビュービュー吹いていて、猫と犬のような土砂降り。

気がつくと、猫のナナが傍に来て、「世界はどうなってしまったの?」とでも問いたげに私を見上げていた。

「ふふふ、いいか、光はマッハ90万で伝播してくるが、音速は、マッハ1なので、少し遅れてやってくる。だから、その差を計算してみれば、どこに落雷したのか、だいたいのところは計算できるのだよ」

嵐のなかで、猫に物理を教えるオタクの図。

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答えきれません(ごめん!)

最近、メールやお手紙で、多数の質問をいただくのだが、

・自著と直接関係した質問

以外は、物理的に処理し切れないため、申し訳ありませんが返答しておりません。

なんだ、出し惜しみしやがって、と思われるかもしれませんが、いただく質問は多く、また、お答えすると、そこから発展した新たな質問をいただくパターンが多く、また、物理の問題は、予備知識のあるなしで答えも大幅に変わってくるため、「ところで、・・・って何なの?」と訊ねられても、どの程度の説明をすればいいのか、パソコンを前にして途方に暮れることもしばしばなのです。

また、大変恐縮ですが、質問をお送りになる前に、どうか、一度、GOOGLEで検索してみてください。最近はWikipediaでも、かなりの答えが得られるようになってきていますので。

カルチャーセンターでは、口頭でお答えしておりますし、(勉学のための)参考文献もアドバイスさせていただいておりますが、メールおよび手紙では、上記のような範囲に限定させていただきたく・・・。

なにとぞ、ご理解をたまわりますよう、お願い申し上げます!

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祝・四連勝

この前、茂木健一郎に東京ドームに連れていってもらってから、ジワジワと巨人熱が復活していて、試合を見ている。

豊田の復活は大きい。

このままいけば、負けなしで奇蹟の大逆転・・・というのは妄想だが・・・。

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カルタンが(汗)

例年の倍くらい仕事をしている気がするが、今年は、これまでに例年の半分くらいしか本が出ていない。

何冊かの本を同時並行的にやっていて、それは例年と同じ仕事の形態だが、今年は、それらが、まだどれも完成していないからだ。

今年の顕著な傾向は、過去の作品の復刊だろう。
今月は「ペンローズの<量子脳>理論」がちくま学芸文庫から復刊されたが、11月には、「脳のからくり」と「トンデモ科学の世界」(改題予定)も復刊予定だ。

私は、本は文庫化されると、もとの単行本はなくなるのだとばかり思っていたが、どうやら、そうでもないらしい。
これは、オーディオ・ブックや外国語版と同じように、別の「バージョン」なのだそうだ。

売り場も読者層もちがう、といわれれば、たしかにそうかとも思うが、題名を変えた場合は、きちんと周知徹底しておかないと、新しい本だと勘違いして、二重に買ってしまうお客さんも出てくるだろう。
このブログとオフィシャル・サイトで告知しますので。

今週は、あれよあれよという間に時が過ぎた。
本日は、2時から東京で二件の打ち合わせをしたあと、カルチャーセンターでファインマン重力を読む。(じゅ、準備不足で、あたふたしているところ!)

重力計算の「Cartan」というプログラムがあって、先週黒板でやった計算を自動的にやってくれるのだが、なんと、Mathematicaのバージョンアップのせいか、うまく動かない! せっかく、教室でデモしようと思ったのに・・・。

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コマネチ準備中

コマネチ大学の準備中。

だいたい、前日は、半日くらいつかって解説を準備するだが、今回は、自分から言い出した問題であるにもかかわらず、解説をどうするか、迷いに迷っている。

問題を解くには10分、解説は3分くらいが限度なので、もちろん「解析接続」とかはサラリとやらないといけないのだが、どうやって視聴者に納得してもらうか・・・ウンウン唸りながら、思案中。

たまにズルして、Mathematics Teacherの名解説をパクるのだが、今回の問題は算数レベルでないため、出てないなー(汗)

昼の世界と夜の世界とか、まるで数学じゃないみたいなのだが、原論文にも太陽と月のマークが出てるしな・・・。

あと数時間は悩みそう。

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徹夜

久々に徹夜した。

といっても仕事をしていたわけではない。

土曜の午後三時からシュレ猫文章倶楽部があり、二時間ほど、「陰日向に咲く」の読書感想、提出作品三編の講評をやったあと、いつものように飲み会へ突入。

今回は、パリ在住のF氏夫妻が、たまたま東京に滞在中だったので、久しぶりに旧メンバーがそろっての会合。

ふだんは、私は一次会で失礼するのだが、二次会、三次会と飲み屋を梯子し、朝の三時にF夫妻がホテルに帰ったあとも、残ったメンバーでDucky Duckで始発まで時間を潰した。

今回の会の主役はマルちゃんであり、この御仁は、毎週、コンビニに並ぶ全ての漫画雑誌を立ち読みする、という驚くべき読書欲の持ち主。
漫画だけでなく、京極夏彦も(ルー=ガルー以外)読破していて、小説ファンでもある。
占いに凝っていて、私も手相を見てもらったが、心理の機微をピンポイントで指摘してくるので、かなり驚かされた。

漫画の原作をやる予定だそうだが、かなり、いい線いくのではないか。会話が面白い人は、書くものも面白くなる可能性が高い。経験上。(もちろん、会話が面白くなくても、書くと面白い人もいるが)

朝の五時過ぎに喫茶店を出て、それから電車に乗ると思いきや、私はK妻とタクシーで横浜へ(笑)

いやあ、湘南新宿ラインって、もっと遅くならないとないんだよね。
でも、中年の徹夜なんて、もうボロボロだから、山手線に乗って品川に出て、横浜駅から家まで歩くなんて、絶対無理。

たくさん飲んじゃったせいで、財布の中身が寂しくなっていたので、深夜の三割増しの料金だとタクシーに乗れなかったから、5時までがんばったのだ。

なんとなく矛盾している気もするが、青春18切符の大垣行きが何であるかを、Ducky Duckでみんなと会話するまで知らなかった私の行動としては、きわめて論理的であったのだ。

大阪人のマルちゃんのツッコミが可笑しすぎて、ああ、笑いすぎてお腹が痛い。

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燃え尽きたマック

いや、オレがこきつかったから燃えたのではない。

半年ほど前、実家で周三郎がつかっていたマックが、突然、火を吹いたのである。そのまま水をかけて、事無きを得たが、なぜか、そのまま放置してある。

希代のマックファン(?)なので、特にクレームをつけて新製品を脅し取ってやろう、などということもなく、自然に、
「燃えたわよ」
「どうして」
「知らないわよ」
「じゃあ、新しいマック、買わないといかんな」
という会話の流れとなって、実際に新機種のMacBookをローンで購入し、一件落着となった。

さきほど、アップルからのメールで、数年前から販売していた12インチのiBook G4が過熱して発火する危険性があるので、電池を無償交換するという。

さては、鎌倉で燃え尽きたマックが該当するかと思いきや、裏ぶたを開けてシリアル番号を調べたら、全然、関係なかった。

なんだよ、ウチのマックはリコールの対象外かよ。

ちなみに、オレは、初代マックから延々とマックだけを使い続けて、今日に至った。
おまけにマックが自然発火しても文句を言わず、「部屋が暑かったからかもしれない」などとお馬鹿な理屈で自分を納得させている。

テレビの出演でもマックを持って行って、自慢気に見せびらかしたりしている。

まあ、ファン心理ってのは、案外、そんなものかもしれない。

そろそろ、模範的なマック・ユーザーということで、アップルが表彰してくれてもいいんじゃないのか(笑)

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自分を見て笑う

最近、自分を見て笑う機会が増えた。

編集のMさんがもってきてくれた「頭がよみがえる算数練習帳」のオビには、なんと私の顔写真が出ているのだが、それは、どことなく不機嫌なヤクザ風のおっさん(笑)

なぜ不機嫌かといえば、それは、もちろん、K妻が電車の中から拾って来た中学入試の問題が、すぐに解けなかったからだ。(Mさんも解けなかった!)

オビには「と、解けない・・・(汗)」と書いてあって、なぜ、私が怒っているかがすぐにわかる(はず)。

***

「ホーキング 虚時間の宇宙」の著者近影は、十年くらい前の近影なので、これまた笑える。
もしかしたら、この写真が若過ぎて、年老いた審査員のセンセたちから「若造のくせに」と思われるので、科学出版賞の最終選考で、何度も何度もはねられるのかもしれないな。

現在の中年男の真実の写真を載せたら、「この人、もういい年だね」と、すぐに賞がもらえるかもしれない(笑)

担当編集者のAさんに写真を差し替えてくれるようにメールしておこう。(きつい冗談)

***

O ROKRをかけて歩くと人が振り返る。

こんな場合、自信過剰の勘違いが入った奴だと、「ムフフ、オレは恰好いいのだ」と思うのだろうが、オレの場合は、ちゃんと分をわきまえているので、「マリックじゃねえって言ってるだろが」と、相手を睨み返すことにしている。

***

チェビー・チェイスみたいな二枚目半路線ってアリか?(数字的には2.75くらいだと思うが)

***

「ペンローズの<量子脳>理論」がちくま学芸文庫で復活!

最初の出版から9年の月日がたった。

9年前、この本は、科学書界を牛耳る教授どもから酷評されたが、あの拒絶反応や底意地の悪さは、いったい何だったんだろう?

私自身は、いまだにそういった「大先生」たちから意地悪を繰り返されているが、もう、あまり効き目はなくなった。世間も「裏のからくり」とか「汚い利権」に敏感になってきたからだ。小泉さんのおかげか?

本は、デザインがすっきりとして、とても奇麗になった。
誤植や人名表記なども「ジラルディ→ギラルディ」という具合に、できるかぎり直してもらった。

たくさん売れる本じゃないが、オリジナルな企画で、解説もたっぷりつけたので、日本では珍しい「科学インタープリター本」なんだ。

ちょいといい気分。

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