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姉歯事件・雑感

引き続き缶詰め中。

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姉歯元建築士の発言を聞いていると、なんだか哀しくなる。

工業高校を出て、がんばって一級建築士の資格をとったのに、坂道を転げ落ちるようにして大事件を起こしてしまった。

オレもフリーで仕事をしているから、あの人が取引先の組織から徐々に皺寄せを受けて、金属疲労が生じて、破滅してゆく過程が手にとるほどよくわかる。

その証拠に、組織側の内河も木村も篠塚も、全員、責任感とも罪悪感とも無縁で、口々に「自分も被害者だ」とか「騙された」なんて逃げを打つばかりじゃないか。

無理な注文をすれば、どこかに歪みが出るのはあたりまえだよね。

豪邸に住んでいる内河と木村と小嶋は、みな、自分の美味しい人生が終わったことだけを憤慨している。
諦観すら感じさせる姉歯元建築士の態度とは対照的だ。

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それにしても、ローンを払い続けながら退去勧告を受けた人たちの住居費を2/3だけ免除という東京都の主張も理解しがたいものがある。
もともとあらゆる税金の無駄遣いが行なわれているのだ。
こんなときこそ、税金を投入すべきではないのか。

まあ、石原都知事は、家賃を払ったことなどないだろうから、この寒空にいきなり外に放り出された人々の苦しみを感じることは不可能なのだろう。

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建築の検査機関にあたるのは、本の場合なら校閲なんだけど、最近、編集者以外の校閲をおいてもらえないことがほとんどで、かなり苦しいことがある。
数学のように数式がでてくる本の場合、ひとり、数式のわかる校閲者を入れてもらえるとすごく負担が減るのだが。
原稿を書いて、図案を用意して、そこらで息切れしてしまうこともあって、〆切が重なっているときなんか、校正段階で凡ミスを見過ごすことも多い。

誤植はまだいいほうで、数学のまちがいなどは、結構、神経に堪える。
建築でいえば、構造計算のミスみたいなものだから。

つまり、オレのおかれている情況は、姉歯元建築士となんら変わらない。

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日本という国は、どこかに皺寄せが集中するような構造的歪みがあって、最後の最後は個人のがんばりにかかっているようなことが多い。

姉歯元建築士の場合、その最後の砦が瓦解したということだ。

オレは、せいぜい、今回の事件を教訓として、自分のところでは崩れないように踏ん張るようにしよう。

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今年は正月返上で仕事也。



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●●★●●●●7問中3問目 問題:「『姉歯』関連で一斉捜索 1都5県、100カ所以上」(Sankei Web 051220)●いよいよ司直の手に委ねられる姉歯問題です●ホテルルート、マンションルートの事実関係の解明がうまく進むかどうか。国民の期待は大です。それを十分承知していますから、警察関係者も張り切っているでしょう●素人がみるところ、ホテルルートの要は総研、マンションルートの要はヒューザーと木村建設ですよね●それにしても100箇所以上を一斉捜索というのは、前代未聞ではないでしょうか...... [続きを読む]

受信: 2005年12月21日 (水) 13時33分

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