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原子力

そういえば、原子力のシンポジウムでの発言内容については、まだ書いていなかった。
いずれ、「原子力文化」に掲載されると思うが、基本的なスタンスだけまとめておきたい。
シンポジウム後、ある新聞社の科学部の人とのやりとりで送った文面があるので、まず、それをお読みください。

環境派を自認する私が、どうして、同時に原子力推進派とみなされるのか、少しは理由がわかっていただけるはずです。

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私は、昨日のシンポで、高速増殖炉の実用化が2050年を目標においている理由を訊ねてみたのですが、もっと早く実用化しようと思えばできる、という答えが山名教授から返ってきて驚きました。
私の基本的なスタンスは、高速増殖炉は断念したほうがいい、というものでしたが、もしも15年で実用化できるというのなら、やってみればいいと思いました。

讀売の井川さんと山名さんでも、報道のあり方や専門家の情報の発信の仕方などについて、それなりに激論(?)になっていて、興味深かったです。

クリーンなエネルギーの具体例としては、核融合は含まれるのでしょうか。それとも風力発電や太陽光発電のようなものに限定されるのでしょうか。たとえば風力発電の場合、以前、東京電力から、「原発一基分の発電をするのに、風力発電だと山手線内が発電設備で一杯になる」という資料をもらいましたが、その見積りは本当でしょうか?

ここにきて、中国がエネルギーを使い始めただけで石油価格が高騰する、という現実的な問題が浮上していますね。
エネルギーが足りないと経済が悪化し、すると治安が悪化するのは、人間社会の必然だと考えています。
私が危惧するのは、クリーンなエネルギーが足りないエネルギーをまかなえない場合、結局は、巡り巡って、大勢の人が死ぬ、という可能性です。
ようするに、原子力にせよ、風力などの代替エネルギーなどにせよ、「思想」から入ると、議論が抽象的になってしまい、危険だと考えているのです。

ただ、エネルギー源の多様化はシステム論的にも絶対に必要だと思います。

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原子力の問題以上に、そもそも、エネルギー問題こそが日本の存亡に直結している。
そういう現状認識をもっている人がどれくらいいるでしょうか。

消費税の値上げ問題と国の財政赤字の問題に構図が似ていると感じるのは私だけでしょうか。

高速増殖炉の実用化は、15年くらいを目標にするのが一番いいと思っています。
45年では、「本当は実用化などできないのに、予算だけもらって組織を続けたいだけではないか」と、道路建設と同じ構図ではないかと疑われてしまうでしょう。
本当に実用化する自信があるのなら、はっきりと宣言して、死ぬ気で開発すべきでしょう。
エネルギー問題が根本的に解決される技術であることは事実なのですから。

ただし、フランスのように電力の80%を原子力、というのは、多様性が欠如しており、危険だと思います。
常に多様なエネルギー源を確保しておかないと。

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以上の議論では、そもそもの原発の危険性、特にプルトニウムの問題は触れていません。
何が安全で何がそうでないか。
核融合なら安全なのか。
高速増殖炉のナトリウムが危険なのか。

工学上の「安全」の問題については、山名教授が、かなりの時間を割いて熱弁を振るっていらっしゃいました。
こういった問題に関心がある方は、是非、「原子力文化」に掲載されるシンポジウムの内容をご覧ください。

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