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エキゾチックな4次元

科学名著で、是非復刊してほしいと思っているのが、

「エキゾチックな球面 続トポロジーの世界」野口宏著(ダイヤモンド社、1969)

である。科学文庫にしてもらいたいものだ。

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エキゾチックな球面というのは、早い話が、学校で教わる関数の微分の公式が「ちょっとちがう」ような世界のことだ。
1次元の球面は円で、2次元の球面はふつうの球面だが、それを一般化していけば、どんどん高い次元の球面を考えることができる。
その球面上での「微分」の種類だが、1、2、3次元までは1種類しかない。
5、6次元も1種類だけ。
ところが、7次元になると、いきなり微分の種類が28個になる!

ちなみに、7次元球面上のゲージ場(ヤン・ミルズ場)の種類も28である。
ここら辺の話は、実に面白い。

ところで、4次元球面の場合、どうやら無数にあるらしいことはわかっていて、それも実数と同じ無限じゃなくて、自然数と同じ無限らしいのだが、実のところ、まったくわかっていない!

ところで、M理論というのは11次元で定式化されるわけだが、その低エネルギー近似で11次元超重力理論というのが出てくる。
その11次元は、われわれの棲む4次元と小さくコンパクトになった7次元に分けることができて、7次元球面を使った研究論文も数多く出ている。

なんで、7次元になると、いきなり「世界」が28種類になるのか、実に神秘的だが、そういったところが数学の面白さなのだろう。

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もっと面白いのが、(球面でない)平らな4次元(記号ではR4)だろう。
ふつうの数直線の世界(1次元)、ふつうのグラフ用紙の世界(2次元)、3次元までは微分の種類は一つだけなのに、4次元になると、いきなり無限個に増える。それも実数無限個である。
ところが、5次元以降は、ふたたび一つになってしまう。

4次元だけがきわめてエキゾチックであることがわかる。

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エキゾチックな話は、物理学のゲージ場と密接に関係していて、R4に無限に多い微分構造があることの証明には、ヤン・ミルズ場の数学が使われている。

エキゾチックな4次元の話は、

「4次元のトポロジー(増補版)」松本幸夫(日本評論社)

が読みやすいが、これも絶版らしい(涙)

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ところで、われわれが4次元世界に棲んでいるとして、ココは、ふつうのR4なのか、それとも無数にあるエキゾチックなR4世界のうちのどれかなのか? それは判別可能なのか?

竹内薫公式サイト掲示板の物理軍団諸君、ちょっと考えてみてくれ!

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蛇足だが、英語の発音は「エギゾゥティック」と濁る・・・。

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