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読み比べ

書評のための本を買いに近くの本屋さんへ。

M善には科学書はおいてないので、ビルの五階にあるU堂へ行った。
ここはがんばっているが、徐々に専門的な本が姿を消しているので、そのうち、また別の立ち回り先を探さねばなるまい。
専門書はたくさんは売れないかもしれないが、それがあるために「雰囲気」が醸し出され、自然と足が向くようになる。
隠れた効果というやつだ。
それで、一般書を買うわけだな、オレのような人間が。

実際、「星の王子さま」の新訳がたくさん並んでいたので、思わず立ち止まって・・・全部、買っちゃったよ。

「それ、全部、買うの」(K妻)
「ああ」(オレ)
「ああって、もうウチの本棚にあるじゃない」
「いいか、あれは内藤訳で、これらは新訳なのだ。三野訳、小島訳、池澤訳、それぞれに個性がある」
「みんな同じ題名じゃない」

そうなのだ。もちろん、原題は「小さな王子」なのであり、「星の王子さま」というのは内藤濯(←ちょっと字がちがうかも)の名訳なのだ。
新訳の訳者たちは、かなりのジレンマに陥ったことであろう。
なにしろ、定番の名訳があるのに、ちがった個性の新訳を出さなければいけないのだ。
本当は邦題も変えたかったにちがいない。

まだ読み比べを始めたばかりなのだが、たしかにヴァリエーションが楽しめる。こんな具合に。

・六つのとき、原始林のことを書いた「ほんとうにあった話」という、本の中で、すばらしい絵を見たことがあります。(内藤訳)
・六歳のとき、『体験した話』という原始林についての本の中で、すばらしい絵を見たことがあります。(小島訳)
・六歳のとき、僕はすばらしい挿絵を一度見たことがある。それは『ほんとうにあった話』という題名の、原生林について書かれた本の中にあった。(三野訳)
・6歳の時、原始林のことを書いた『ほんとうの物語』という本の中で、ぼくはすばらしい絵に出会った。(池澤訳)

・「ね……ヒツジの絵をかいて!」「え?」「ヒツジの絵をかいて……」(内藤訳)
・「ぼくに……おとなしい羊を描いて!」「え?」「おとなしい羊を描いて……」(小島訳)
・「お願いです……ぼくにヒツジの絵をかいて!」「なんだって!」「ヒツジの絵をかいて……」(三野訳)
・「すみません、ヒツジの絵を描いて」「え、なに?」「ヒツジの絵を描いて」(池澤訳)

うーむ、こんなふうに読み比べているオレはビョーキか。(全部読んでから、また感想を書きます)

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